フランス人は英語嫌い?

 

 

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 「フランス人は、外国人に対し英語を知っていても話さない」。かなり昔から言われてきたフランス人に対する表現です。確かに本当の部分もありますが、多くの誤解があるのも確かです。

 

 誤解その1。フランス人はあまり英語を知らない。確かな割合は知りませんが、フランス人で英語を話す人はかなり例外です。もちろん日本人よりは話す人は多いのでしょうが、それでも政府関係やビジネスマンなどに限られます。

 

 ひとつには、結構どこへ行ってもフランス語が通じるからです。植民地だったアフリカ諸国、フランス語が母国語のベルギー南部などはもちろん、オリンピック、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)など、ヨーロッパの国際機関の公用語はフランス語と英語です。これでは、あまり外国語を学ぶ必要を感じないのも然りかもしれません。

 

 誤解その2。誰が外国人か分からない。フランス、特にパリは人種のるつぼ。でも彼らの多くはれっきとしたフランス人なのです。例え移民でも、2世、3世ともなれば、例外なくきれいなフランス語を話します。この辺が「英語を話さないイタリア人移民社会」のようなものが存在しうるアメリカと根本的に違うところかもしれません。

 

 ですから、道を聞くときなど、肌の色が違ってもまずフランス語で聞くのが当然のことになっています。時々、道を聞かれて困惑している日本人観光客も見かけますが、フランス人はもちろん「外国人」と思って訪ねている訳ではないのです。

 

 誤解その3。日本人は「外国人」、とりわけ白人は皆英語を話すと思っている。誤解その1、2で話したようなことは、何もフランスに限らず、スペインに行っても、イタリアに行っても観光地以外なら皆同じ状況。スペインに行けば、日本人でもスペイン語で話しかけられます。日本だってそうですよね。

 

             

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