サッカーに見る愛国心

 

 

スタッド・ド・フランス

 

 

 フランスで一番盛んなスポーツはもちろんサッカー。しかも、1998年のフランス・ワールド・カップで優勝したため、フランス人は、フランス・ナショナルチームが世界最強だと思っている人が多いようです。シラク大統領がイタリアで、学生たちを前に、「イタリアには世界最高のサッカーリーグ、セリエAがある。フランスには世界最高のチームがある」などと発言、ひとごとながら「そんなこと言って大丈夫か?」と心配したものです。

 

 さて、ワールド・カップの主舞台となったパリ郊外のスタッド・ド・フランスに行って来ました。対戦カードはフランス対日本。親善試合とはいえ、日本は中田、フランスもジダンが出場、いずれもフルメンバーのナショナル・チームです。

 

 当たり前ですが、フランス・チームのホーム・グラウンド。「君が代」がいつ聴こえたのかも分からないうちに、スタンド総立ちでフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の大合唱。試合が始まれば、ひっきりなしに続くウエーブ、「日本をやっつけろ」という歌、「俺たちはチャンピオンだ」という歌。スタジアム内の看板には「2002年ワールド・カップ−フランスが二度目の世界チャンピオンになる場」。うーん、ナショナリズムもここまで来るとご立派。

 

 試合の方ですが、何と5−0でフランスの圧勝。ただでさえ、周りをフランス人で囲まれ、「日本人がいるぜ」なんてジロジロ見られて肩身が狭かったのに、あまりの恥ずかしさに、勝利の余韻に浸っているフランス人の間をこそこそと帰ろうとすると、さっきまで一生懸命笛を吹いて応援していたフランス人のお兄ちゃんが「残念だったな、こんどは日本にもチャンスがあるよ」と握手を求めてきました。試合中はモヤモヤとしていた気分も、この一言で、晴れたような気がしました。

 

 

             

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