デパート嫌い?

 

 

メトロ内のサマリテーヌの広告

 

 ギャルリー・ラファイエット、サマリテーヌなど、パリにもデパートは幾つかあるのですが、街の規模からすれば圧倒的に少ないのが現状。なぜか? サマリテーヌの店内で勝手に買い物客にインタビューしたことがあります。多くの人が「デパートにはよく来るが見るだけ。だって高いもん」という答え。これでは混み合っている店内に比べ、売り上げは思ったより上がらないはず。

 

 パリの特徴のひとつに、昔ながらの小売店の多さがあります。パン、洋服、八百屋、そして生鮮食料品の揃う市場。いずれも庶民の身近な店として賑わっています。でも、どうやら「近い」だけが繁盛の秘密ではないようです。

 

 デパートにしろ、近所のお店にしろ、パリでお店に入って、こちらが「ボンジュール」と言っても、機嫌悪そうに受け答えされたり、ひどい時には無視されたりなんてことは日常茶飯事。しかも、後から来た顔見知りらしい人には、まるで人が違ったように握手したり、世間話して、先に来店したこちらのことなんてそっちのけ、ということも珍しくありません。

 

 そう、同じお店に通えば親切にされるのです。もしかしたら、棚の奥から、普通のお客さんには見せない商品を出してくれるかもしれません。そこまでいかなくても、基本的に個人対個人で社会が成り立っているフランスですから、「あそこの店に、彼がいるから行こう」ということになります。

 

 また、日本と違いデパートの店員が、自分の扱っている商品についての知識に乏しいため、より小さな専門店に行く傾向にあるのも否定できません。ただ、最近は日本同様、車で気軽に行ける郊外の大型店、街中にあふれるマクドナルドやステーキのバッファロー・ビルなど、チェーン店も人気があるのも確かです。

 

 しかし、親しい店を見つけるのも時間がかかります。フランス人から聞いたのですが、特定の店がない時は、男性なら女性の店員を、女性なら男性の店員を見つけて話しかけるといいそうです。そう聞いて注意深く見ていると、確かに男性の店員が、さっきは女性に親切だったのに、こっちにはさっぱりということが結構あります。これはヨーロッパ人にある程度共通して言えるのですが、日常生活でも、男性と女性に対する態度をコロっと変えるは普通。特に女性ですね。でも日本人としては、こんな友達を見ると、どこか違和感を感じざるを得ませんが。

 

 

             

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