話好きのフランス人

 

食事中話し続けるフランス人たち(エジプト)

アントレ(前菜)、プラ(主菜)、デザート、最後はゆっくりコーヒーでも飲んでー。フランスでレストランに行けば、二時間はかかるのはザラ。日本ではめったにないことですが、じゃあ、フランス人は二時間の間何をしているのか。話まくっているのです。

 

 まあ、友達、恋人なら二時間くらいあっと言う間ですが、あまり知らない間柄だったらどうなるか。

 

 パリ発でモロッコ・ツアーに参加しました。約三十人の参加者は、私たちを除いて全てフランス人。日に三度の食事がツアーに含まれているので、毎回顔を合わせることになります。もちろん互いに以前は面識がありません。食事の間は、やっぱり話まくっています。

 

 今日見た町並みの話、買い求めた絨毯(じゅうたん)の話、とめどなく話は続いていきますが、決して「あなたは何歳?」とか「職業は?」という個人的な話にはなりません。発達した「個人主義」のため、フランス社会ではよほど親しくならないと、個人的な質問は御法度とされています。

 

 それならなおのこと、よく話が続くものです。一つには、フランス人は小さい頃から”トレーニング”されていることがあるようです。レストランに限らず、家庭でも、食事の場は家族の重要な情報交換の場とされています。「黙って食べなさい」と教育される日本とは百八十度違います。子供の頃から「話し続ける」訓練を受けているわけですね。

 

 また、日本なら食事中話していて、ちょっと間ができても誰も気にしませんが、フランス人はこの「間」を非常に嫌います。その「間」に備えて、とって置きの話題をひとつ取っておくのもテクニックとか。また、特にあまり親しくない人との食事には、幾つか話題を考えてから出かけるようです。従って、結構使い回しの話題、ジョークも多いんです。

 

 さて、モロッコでのツアーで、機関銃のように話し続けるフランス人に割り込んでいくのは一苦労。絶え間ない会話に割り込むタイミングがつかみにくい。フランス人は、多少会話がだぶっても無理矢理自己を主張しますが、私にとっては長年訓練された兵士の間に、素人が放り込まれたようで、なかなか歯が立ちませんでした。

 

             

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